近親者が亡くなった直後(=喪中)は、悲しみのあまり“何か”にすがりたくなったりするもの。自分にも災厄がふりかかるのではないかと過度に恐れてしまったり。
ですがそのような時期に厄除けをしても意味がありません!
ここでは、「喪中に厄除けをしてはいけない」と言われる理由について考えてみました。
親しい人の死後は、残された親族の行動もなにかと制限されるものです。
神社への参拝や厄除けもその一つ。
でも、それって一体ナゼなの!?
「喪中の時は、結婚式とかお正月のお祝い事とかしちゃダメ。初詣もダメ」
って聞いたことありませんか?
その延長で厄除けも良くないのかな・・・と思われがちですが、結論から言うと喪中でも厄除けして大丈夫です。
喪中とは「喪に服する期間」という意味で、近しい人が亡くなった場合にその死を悼み、身を慎むことを意味します。
具体的には、晴れがましいことやお祝い事は慎んだほうが良いと言われていますね。
ですから、新年のお祝いはすべきではないというわけです。
特に、神道では「死=穢れ」と考えられており、「神様は穢れを嫌う」ということから、喪中には神社を参拝すべきではないとさえされています。
一方、お寺は亡くなった方を供養するための場所であり「死=穢れ」とは捉えません。
ゆえに、喪中でもお寺への参拝はOKですし、厄除けを受けても問題はないということになります。
ちなみに、実は神社だって「喪中」の参拝はOKなんですよ。
世間的に「喪中は神社に行ってはいけない」と言われているのは、おそらく「忌中」とごっちゃになっているのでしょう。
明治7年に出された「太政官布告」によれば、忌中とは「自宅で謹慎すべき期間」であり、喪中は喪服を着用する期間を意味していたようです。
たとえば父母が亡くなった場合の「忌中」は50日間、喪中は13ヶ月間とされています。
今でもこの名残で「忌中は死後50日間」「喪中は1年間」とされていますので、忌中の期間さえ過ぎれば神社を参拝しても大丈夫なんですよ。
もちろん、厄除けや厄払いをしてもらっても問題はありません。
さきほど、「神道では“死”を穢れと考える」「だから喪中は神社を参拝してはいけない」と言いましたが、あれこれ調べてみるとこれもまた誤解のようです。
穢れとは「気枯れ」のことで、死そのものではなく「大切な人を亡くして気落ちしている」という遺族の状態を表しているのだとか。
そのような時期には思考もネガティブになりやすく、なんでもかんでも神にすがりたくなるものです。
その「気枯れ」の時にはあまり外に出ずに自分の内面と向き合い、気持ちの整理をしなさいよ。
整理がつくまでは神様の前に立つのは控えたほうが良いよ、木枯れの状態でお祈りしても意味ないよ・・・
ということで、「忌中は神社の参拝を控えたほうが良い」と言われているんですね。
厄除けや厄払いもやはり「自分で災厄を除けよう!」という強い気持ちがなければ受けても意味がないもの。
なので、身近な方が亡くなった場合は厄除けを受ける時期にも注意が必要なんです。
死後50日を過ぎれば、最初は受け入れられなかった死を現実のものとして認められるようになっているでしょうし、気力も回復しつつあるでしょう。
「死後○○日」とか「忌中」「喪中」といった区分にとらわれず、最終的には「自分の気持ちの状態」を冷静に見極めた上で厄除けの時期を決めることをオススメします!
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